Flower of Life

詩と
自分と
ポジティブに向き合う。

やまとうた

やまとうたは
人の心を種として…



古今和歌集の仮名序が
朝から美しいメロディーを奏でている。


「にほんごであそぼ」


みわsanが日本語を
流れるような旋律で広げていく。


祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり


ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず


春はあけぼの。やうやう白くなりゆくやまぎはすこしあかりて


じゅげむじゅげむごこうのすりきれ


天つ風夢の通い路吹き閉じよ をとめのすがた しばしとどめん


トンネルを抜けるとそこは雪国だった。



和歌


散文


詩集


小説


物語



言葉には古来から


言霊が込められている。


ことだまは鬼の心もあはれと思わせ、


天地をも動かす力があるという


はじめに言葉ありき。


言葉は人を あめつちを動かす。


そんな言葉の力を


私は信じている。

生きる。

私は34で乳がんと診断されました。
告知のとき、すべての景色がぐらりと揺れました。
深刻度はかなりで、
5年生存率なんか考えたら、
途方もなく気が遠くなり、
すっと目の前が暗くなって、
描いていた未来ががたがたと
音を立てて崩れていくのがわかりました。


その後の治療についてはおいおい。


現在は手術、抗がん剤を経ています。


2年が経って、


世界が変わりました。


今でも、体力りぎりまで投与された
抗がん剤の影響からか、
思うように外出ができませんし、
3歳になる息子の世話も、
毎日のご飯も、主人に任せっきりです。


髪の毛もなくなり
がりがりに痩せて、
ベッドから起き上がれない日々
スーパーにすら歩いていくこともできない
抗がん剤の副作用。


普通のお母さんになりたい


泣いた日もあります。


失ったものもあります。


けど、


得たものは大きいです。


もし、
何かがあって
もうだめだと思っている方、
つらい思いをして、
もうこんな人生いやだと思っている方に。



生きましょう。


生きている。


どんなかたちでも
どんなに不器用でも
どんなに恥ずかしく情けなくても


生きましょう。


あなたがただそこにある、
あなたがただそこにいる


それはきっと、
世界が起こした奇跡なのだと思います。


少なくとも
この手で文章を打てる
知らない誰かに呼び掛けられる。


それは
私にとって
ほんものの奇跡です。





約束

9月9日はククリの日です。
私は昨年のこの日、10時間越えの手術から目を覚ましました。
激痛とともにあらわれたのは
空間を覆いつくすようにびっしりと描かれた
幾何学模様でした。


Flower of life 


激痛に飲み込まれそうになる私を
一瞬にして覆いつくしたあの文様は
いったい何だったのか、
ただ、私の右肩には
夫に託した北投石の腕輪が置いてありました。
腕輪の一つにはフラワーオブライフの文様が刻まれてありました。


驚いた私は声を上げようとしましたが
酸素マスクと口に入ってある管が邪魔をして
何もしゃべれず
右肩にある腕輪の存在をやっと認めるだけでした。
そして今は亡き母が
血の気のない私の足を
ひたすらに温めてくれ、
主人が、父が、親族が苦しげな顔で
私を見ていました。


あの日、
どうやら私は
何か約束をしてきたようです。
真っ暗闇のなかで
ただひとつの約束を。


その約束を
これから果たしてゆこうと思います。